散気管選びのポイント(1)|酸素溶解効率のトリックに騙されるな

散気管選びのポイント


散気管選びのポイント(1)

酸素溶解効率のトリックに騙されるな

日本では、酸素溶解効率の統一的な測定方法はありません

散気管メーカーが公表している酸素溶解効率データは、ユーザーにとって散気管の性能の優劣を判断する重要な要素となります。
しかし酸素溶解効率のデータの採り方は、日本では統一的な測定方法が定められておらず、各社とも異なる方法でデータを採っています。(下水道事業団の定める基準はありますが、各社が揃ってその基準に準拠しているわけではありません)
例えば、車の燃費性能は厳密な基準(JC08モードや10・15モード)に基づいて測定されるからこそ、ユーザーは性能の優劣を公平な観点から見極めることができるわけですが、酸素溶解効率に関しては、そういった共通基準がそもそもないのです。
もちろん、科学的に正しいデータの採り方はありますので、それに基づいてデータを採れば問題ありませんが、散気管メーカーの中には、明らかに誤った手法でデータを採り、あり得ないような高性能をPRしている会社があります。
「酸素溶解効率データ」につき、ご注意頂きたい点を以下に記します。

正しい酸素溶解効率データの採り方について

1)水深
水深は深ければ深いほど、水深圧によって高い酸素溶解効率が出ます。
そこで、各水深分(例:3.0m/3.5m/4.0m/4.5m/5.0m/5.5m…)だけ水を張ってその水深ごとに試験し、データを採るのが正しいやり方です。
しかし散気管メーカーのなかには、水深5.0mまで水を張って各水深ポイントごとに複数のDO計を設置し、同時に全ての水深分のデータを採っている会社があります。
そのやり方では、水深5.0mという好条件の下でのデータしか採れません。これは明らかに誤ったデータの採り方です。

2)DO計の向き
酸素溶解効率の試験は、還元剤で水(水道水など)の溶存酸素(DO)をゼロにしたあとに、〈ブロワー+散気管〉でエアー吹込みをスタートしてDO値の上昇をDO計で測定するわけですが、DO計のセットの仕方も重要です。
そのポイントは、以下の2つです。

①  水中のエアー塊に直接電極が触れると、正しい溶存酸素値を測ることはできません。
かならず、上昇エアーが直接当る事の無い場所にDO計を設置します。
②  DO計を供試水へ投込むと、電極は当然、下向きになります。その状態では、気泡が電極部に溜まってしまって、
過剰に高いDO値を示すことになります。
電極部をケーブルに結わえて、電極が上を向くようにセットするのが、正しいやり方です。

3)水温
自然法則上、溶存酸素の値は水温に大きく左右されます。散気管で曝気を行なうと、ブロワーの圧縮熱によって水温が上昇するため、試験時の水温と溶存酸素値の両方を記録計で記録し、そのデータを試験レポートに添付するのが正しいやり方です。
逆にいえば、そのデータが添付されていない試験レポートは怪しい、ということです。

酸素溶解効率の試験レポートを取り寄せてチェックが必要です

散気管メーカーが公表している酸素溶解効率データが、正しい手法によって採られたデータなのかどうかは、試験レポートを入手して確認するしかありません。
なかには、試験を実際には行なっておらず、架空の値をカタログに載せているだけのメーカーもありますので、要注意です。

OHR社は試験レポートを明確にお示し致します

OHRエアレーターは、自社で厳密な性能試験を行ない酸素溶解効率データを採っていることはもちろんですが、その他に他社がOHRエアレーターの性能試験をおこなったレポートもあり、その両方を提出できます。どうぞお求め下さい。