OHR技術とはなにか
OHR技術とは、流体(気体、液体)を一瞬のうちに超微細な粒子群にまで砕き、反応・混合させる技術です。
OHR技術を用いた製品は、OHRミキサー(インラインミキサー)と、OHRエアレーター(散気管)の2種類です。
どちらの製品も、実にシンプルな構造ながら、高圧・高額・複雑な装置の代わりとなります。
例えば、某樹脂メーカーは、2,000万円を超える高圧乳化機を、わずか38万円のOHRミキサーに取り替えて、製造設備で使っています。使用圧力は、従来機は500kgf/cm2 (=50MPa) の高圧が必要でしたが、OHRミキサーは5.0kgf/cm2 (=0.5MPa)の低圧で済みました。1/100もの低圧で同様のことができるほど、OHRミキサーのミキシング能力は驚異的です。
他方、OHRエアレーターは独創的なメカニズムで、非常に長期に渡ってノーメンテナンスで使い続けられる散気管です。
ミキシング能力が高いため、化学反応の促進のためにも積極的に使われる、唯一の散気管です。
貴社の技術的課題の解決に、どうぞお役立て下さい。
技術思想
OHR技術は、一人の日本人が、全くの独力で生み出したものです。武田正博(たけだまさひろ 1921ー1995)です。
武田の技術思想は、次のようなものでした。(『野口研究所時報第30号)』㈶野口研究所1987年10月1日発行に詳述)
- 流体を、外見的な全体像として見るのではなく、流体粒子の集合体・連続体として捉えなければならない。
- 従来技術の限界は、たとえ2つの流体の片方を微細に砕いても、その微細粒子が同伴する他方の流体の流れに乗ってしまい、一過性の接触・反応で終了してしまうところにある。
- 極限までの反応促進を達成するには、流体粒子の境膜抵抗を極限まで減少させる以外に途はなく、それによって 「反応」の裏に潜む「時間」が極小化されるに違いない。
そのためには流体粒子を極小化し、同時に低温沸騰による物性転換や粒子相互の連続衝突を一瞬にして実現する必要がある。
武田の技術思想は、流体処理の技術史を眺めるとき、まことに異彩を放っています。
そして武田の偉大さは、その技術思想を「OHR式流体反応技術」として数式や形状に具体化し、以下のようなメカニズムを生み出したところにあります。
- インラインにおける一瞬の通過点において、特殊構造物で流体粒子の集合体・連続体の鎖を断ち切って「無数の粒子群」とする。
- その「無数の粒子群」に、個々の粒子の物性に基づき、パイプ内の高圧部と負圧部とをジグザグに往復させ、低温沸騰を起こさせるとともに、遠心力と向心力の作用によって、連続的な激しい衝突を繰り返させる。
OHR式特殊パイプの内部構造は、まことにシンプルでスマートです。しかしメカニズムは、実にダイナミックで激烈です。
そして、性能面でも圧倒的に優れていることは、驚異的な実績例でご理解頂けます。
1. 高速らせん流の形成
反応器に流入した《 A流体・B流体 》は、ガイドベーンによって高速らせん流に変換され、猛烈な遠心力が生み出される。
2. 比重ごとの層に分ける
比重差で、外側に重質流体が、内側に軽質流体が移動する。(中心は真空になる)
その過程で、
1)混在状態の流体が、重質・軽質層に振り分けられる際に衝突する
2)重質・軽質層の界面において、回転速度の違いから乱流渦群が発生する
3. 微細粒子群に砕く
カレントカッターの頭頂部で起こす境界層剥離現象によって、重質流体も軽質流体も微細に砕かれて、ミクロ粒子群となる。
4. 微細粒子群を衝突させる
遠心力・向心力によって、急激な圧力勾配下をジグザグに移動させ、衝突させる。 (全工程は0.04秒で完了する。 工程3・4は、カレントカッターの段数分だけ繰り返される)
例えば、これが飛行機の翼で起きると、揚力を得られずに失速して墜落してしまうため、流体力学では「境界層剥離」を防ぐ方法の研究ばかりが行われています。OHR技術の開発者である武田は、 価値がないとされてきた「境界層剥離」をわざと起こして、 流体の反応を高めるために利用しようと発想し、「OHR式流体反応技術」として見事に具現化しました。
OHR社が未来に貢献できること
1) 「環境技術」の面から
われわれ人間が産み出してきた膨大な化学物質群は、地球生物に甚大な被害を与えています。
身近な例では、大阪の淀川の水から、農薬や除草剤はもちろん、人が服用する医薬品 (血圧降下剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛剤、等々) の成分が見つかっていますが、これらの化学物質は公共下水処理場でも分解しきれず、自然界に放出されて、取返しできないダメージを人間を含む大小の生物に与えています。
われわれ人間は責務として、化学物質の使用量を減らし、また自然界に放出する前に徹底的に分解しなくてはなりません。
- ローコスト・高効率のオゾン処理法/生物処理後の放流水に残存している未分解の化学物質を分解する
OHR式オゾン処理法 - 浮上分離装置の劇的改善/凝集剤使用量の大幅削減
浮上分離の改善 - 製紙工場における白水タンクでの曝気/殺菌剤添加量の大幅低減
抄紙工程でのトラブルを減らす、白水タンクでの曝気 - 世界に例の無い省電力特性と長期間耐久性を有する散気装置 「OHRエアレーター」
OHRエアレーターの概要・特長
などが、OHR社が貢献できる例です
2) 「製造技術」の面から
今日の製造技術は、 巨大で複雑な製造設備、 大量のエネルギー、 多数の専門技術者、大きな資本を必要とします。
大量生産に伴うロスも大きい。
OHR技術をコアにすれば、 コンパクトかつ効率的な製造設備が造れますので、 製造施設は「一カ所集中」ではなく、「数多く点在」することが可能になります。 生産に伴うロスも極小化できます。そして「数多く点在」することこそが、 柔軟で強い、 健全な社会のあり方です。
- 複雑・高コスト・エネルギー多消費の高圧乳化機に代わる、 シンプル・低コスト・省エネの乳化装置
高圧乳化機の代わりとなる、唯一のインラインミキサー - 撹拌タンク・撹拌装置など一切使わず、インラインで、ワンパスで瞬間的に均一微分散
撹拌機とOHRミキサーの比較 - 新エネルギー源としてのアンモニアやメタンなどの常温・常圧合成に資する気−液反応技術
OHRミキサーの概要・特長
などが、OHR社が貢献できる例です
会社概要
社 名 | 株式会社OHR流体工学研究所 (登記名は株式会社オーエイチ・アール) | |
英 語 名 | OHR LABORATORY CORPORATION | |
設 立 | 株式会社オー・エイチ・エル:1976年 株式会社オーエイチ・アール:1993年 | |
業務内容 | 1)OHRミキサー、OHRエアレーター、AAビッグボール、デコンポの製造、単品販売、機器一式販売 2)OHR技術による、かつてない製造設備、反応設備、排水処理設備の開発 3)製造設備、反応設備、排水処理設備の課題解決 4)排水処理施設の改善請負い、一式請負い |
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資 本 金 | 1,000万円 | |
所 在 地 | 〒358‐0054 埼玉県入間市野田536-1 | |
TEL / FAX | 04-2932-5466 / 04-2932-5605 | |
デモルーム | 〒192-0075 東京都八王子市南新町6-1 | デモルームの詳細・アクセス |
沿革
′72年 | 武田正博が東京都世田谷区にタケダ流体工学研究所を開設し、流体の反応促進技術の研究を開始する。 |
′76年 | (株)オー・エイチ・エルを設立(東京都目黒区)し、武田正博が代表取締役に就任する。 この年、OHL式の各種心臓部(リアクター、エアレーター、ミキサー)の開発を相次いで完成する。 (1)(財)日本能率協会・脱硫技術フォーラムにおいて、武田正博がOHL式脱硫技術の講演を行なう。
(2)通産省・大阪工業技術試験所に脱硫・脱硝同時処理装置を納入。
(3)第12回大阪国際公害防止ショーにおいて、OHL式脱硫装置による脱硫処理を公開実験し、脱硫率99.9%を公開実証する。 |
′80年 | 武田正博が米国NASAの招聘により、南カリフォルニア大学において、ダン教授の司会の下に 「OHL式・流体の反応促進技術」の 講演を行なう。 |
′83~′93年 | (財)野口研究所(東京都板橋区)の構内に研究室を設置し各種実験・研究を行なう。 |
′93年 4月 | 有)オー・エイチ・エル流体工学研究所を設立し、(株)オー・エイチ・エルの業務を全面継承することとする。 代表取締役に植松秀人が就任 |
′97年 4月 | 三菱系の機械商社の西華産業(株)と販売提携する。 |
′97年 5月 | (有)オー・エイチ・エル流体工学研究所を(株)オーエイチ・アールに改組、改称する。 〔但し通称は(株)OHR流体工学研究所と称することとする〕 |
′02年10月 | 日本国内におけるOHR機器の納入事業所数が、1,500箇所に達する。 |
′06年 5月 | 「2006ニュー環境展」において、微生物汚泥の減容化装置『デコンポ』をデビューさせる。 |
′07年 6月 | 日本国内におけるOHR機器の納入事業所数が、3,100箇所に達する。 |
′07年 8月 | 西華産業(株)との販売提携を解消する。 |
′07年 8月 | 主力商品のひとつである、OHRエアレーターAE-130型の全面リニューアル版をデビューさせる。(AE-130N型) |
′07年 9月 | 焼酎原酒の調味・調香装置『マカファイン』をデビューさせる。 [※原酒中の油脂・雑味成分をマイクロバブルで浮上させ分離除去する装置であり、焼酎業界では画期的な装置] |
′16年 9月 | 日本国内におけるOHR機器の納入事業所数が、4,000カ所に達する |
′16年 10月 | OHRエアレーター AE-50型の全面リニューアル版/オールPP製AE-50N型をデビューさせる |
′20年 6月 | OHRエアレーター AE-130N型の耐熱性と耐久性を一層向上させるとともに、10年保証を開始する |
′21年 5月 | 日本国内におけるOHR機器の納入事業所数が、5,200カ所に達する OHRミキサーの主要用途をまとめた資料集の配布を開始。同時に各用途の説明動画7種をウェブサイトに公開する |
′22年 6月 | OHRエアレーター AE-50N型の耐熱性と耐久性を一層向上させたアップグレード版の販売を開始する |
′24年 6月 | 代表取締役に植松あらたが就任 |
特許関連
′77~′78年 | 内外の特許を相次いで取得する。特許取得国は日本、アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、 オランダ、 韓国、旧ソ連、旧西独、フランス、カナダ、台湾の12ヶ国 (特許取得件数は現在まで合計42件) |
′95年12月 | アメリカ特許成立【OHR式オゾン反応装置】 (その後、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、日本でも取得) |
′02年 8月 | 日本国特許成立【三層分離装置】 [※含油汚泥の組成成分を、比重差別に三層に分離する装置] |
′04年10月 | アメリカ特許成立【OHRエアレーター、 OHRミキサーの内部構造につき】(その後、ヨーロッパ特許も取得) |
′11年 7月 | バラスト水処理装置に関する特許を6箇国で取得 【オーストラリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・スイス】 その後、アメリカ・日本・ブラジルでも取得し、合計取得国数9ヵ国となる。 |
現在まで 特許取得件数:42件 商標取得国数:40カ国 |