メカニズムの物理的整合性を確認せよ
酸素は水に溶けにくい気体で、エアーは水に比べて圧倒的に軽い
酸素は水に溶けにくく、またエアーは水の1/773の重さしかないため、水中を勢い良く上昇します。
「溶けにくい酸素を、いかに一瞬で水に溶かすか」という難題へのアプローチの仕方が、各散気管メーカーのもつ技術の
優劣を如実に表します。
「一瞬のうちに気−液を接触させ、酸素を水中に溶かし込む」という構造があるかないか、これが散気管の優劣を決定付けます。
ポーラスディフュザーは、
「接触面積を広くとれば酸素は水によく溶けるだろう」という考え方
数百ミクロンの細かな穴が無数に空いた構造の「ポーラスディフュザー」の技術思想は、「細かなエアーを吐き出せば、水との接触面積が広くなり、上昇スピードも遅くなるため滞留時間が延びる。だから、酸素が水によく溶けるだろう」というものです。これはそれなりに、合理的な技術思想です。
しかし、酸素が水に溶けるかどうかは自然任せであり、水の基質が変われば(含まれる不純物が多くなれば)途端に酸素溶解効率が低下してしまいます。 (詳細は、「アルファ値」参照)
「酸素を強制的に溶かし込む」という機構が一切無い点が、ポーラスディフューザーの技術的欠陥です。
縦型散気管は、「一瞬でいかに気−液接触ができるか」が命です
他方、OHRエアレーターに代表される縦型散気管(粗大なエアーを吐き出したあとに、構造物で気−液接触を図るタイプの散気管)は、まず粗大なエアーを吐き出すメカニズムです。
粗大エアーは水との接触面積が極めて小さく、上昇スピードも著しく速いため、「一瞬のうちにエアーと水とを濃密に接触させる機構」が命です。
しかし縦型散気管のほとんどは、そのメカニズムに確かな理論的裏付けがありません。
合理的なメカニズムかどうか、これが判定ポイントです
メカニズムが、真に合理的なものかどうか(確かな理論的裏付けがあるか)が、なにより重要です。
散気管は、非常に過酷な条件の下で使われます。以下のとおりです。
- 1)瞬く間に分離してしまう「気体」と「液体」を、一瞬のうちに接触させなければならない
- 2)水深数メートルという中で、絶えず水圧を受け続けながら、高温のブロワー熱風を送り込まれる
- 3)高濃度の固形物が含まれた液中であっても、目詰りせずに、長期に渡って安定運転できなければならない
OHR社のメカニズム説明文を真似してはいるが、構造と説明文が一致していない散気管や、単なる思い付きで作られたような散気管も販売されていますが、確かな裏付けを持たない散気管が、実際の排水処理現場で役に立たないのは明らかです。
散気管は、気体と液体の「反応促進器」です。物理・化学の法則に基づいたメカニズムをもっていなければなりません。
OHRエアレーターは、航空力学を応用した独自のメカニズムで、気−液を強力にミキシングします。
以下のメカニズム図をご覧頂きまして、他社製の散気管と公平な目で比較なさって下さい。