「撹拌機」と「OHRミキサー」の比較

乳化、粉体分散、微量成分の均一分散など

「乳化」や「粉体分散」や「微量成分の均一分散」には、多種多様な撹拌機が使われています。
代表的なものは、容器の中で撹拌羽根が高速回転することで液体を剪断する「ホモミキサー」です。
あるいは、液体を高圧で狭い流路に通して衝突させたりする「高圧ホモジナイザー」もよく使われます。

しかしその性能に対して、また機器の安定性・メンテナンス性に対して、不満をもつユーザーは少なくありません。
OHRミキサーに引合いをくださる方々の生の声で、それがわかります。

不満の1番目が、「混ざり具合が良くない」「時間がかかりすぎる」「少量しか処理できない」といった性能に関する不満です。
2番目が、「頻繁に故障する」「メンテナンスに手間・人員・お金がかかる」といった不満です。
メンテナンス体制が整っている日本国内であっても大変なのに、その体制が十分でない/まったくない海外では複雑な装置はとても使えない、という声もあります。

「ホモミキサー」や「高圧ホモジナイザー」をOHRミキサーに置き換えるステップ

ホモミキサーその他を【OHRミキサー+ポンプ】に置き換えできるかどうかは、実地テストでお確かめください。
処理量と使用目的に合わせて、お貸出し品を取り揃えています。
ほとんどのケースで、撹拌機・乳化機と同等か、それを上回る結果が得られます。
※OHR社が販売するのはOHRミキサー単品です。(食品や飲料向けには、サニタリー仕様で製作可能です。)
所要の性能を満たすポンプと組み合わせれば、撹拌機・乳化機に置き換わります。

  • (1) 実地テストで性能面さえご確認いただければ、既存設備をOHRミキサーに置き換える上での障壁はなにもありません。
    OHRミキサーは見た目は1本のパイプで、内部に2種類の構造物が固定されているだけです。
    つまり可動部(=動く部分)がいっさいありません。
    したがって故障ゼロ・メンテゼロですので、コストや手間がかかりません。
    日々の運転管理が非常に楽になります。
  • (2) 「ビーズミル」や「湿式ジェットミル」なども、OHRミキサーに置き換え可能です。
    ※ただしOHRミキサーには固形物を砕く作用、つまり破砕や粉砕の作用ははありませんので、固形物をより微細に砕きたい、という要望に応えることはできません。ただし【解砕】は非常に得意です。次項で解砕の実例を記します。
  • (3) 置き換えどころか、性能がはるかにアップした、という事例もあります。
    たとえば、解砕テーマです。
    (※解砕は、もともと細かい粒子が凝集している状態を“ほぐす” ことなので、破砕や粉砕とは違う意味です。)

ある化学会社のケースをご紹介します。
テーマは「カーボンの解砕」です。OHRミキサーを使って、初めてキレイに解砕できたと高く評価されました。
そのポイントは次のとおりです。

  • ● テーマは、5〜10mmサイズに凝集したカーボンの解砕である。
  • ● 今まで、各メーカーの撹拌機をさまざま試してきたが、数時間かけても解砕できなかった。
  • ● ところがOHRミキサーをわずかワンパスさせるだけで、満足いく結果が得られた。
    (※ワンパスとは、OHRミキサーを1回通過するだけ、という意味です。)
  • ● カーボンスラリーをOHRミキサーへ送り込んだポンプの圧力は、0.3MPaであった。
    (※0.3MPaという、ご家庭の水道圧ほどの低圧であることにご注目ください。)

なぜOHRミキサーは、撹拌機や分散装置に置き換わったり、

それらを上回る性能を発揮したりするのか?

撹拌機では、回転する撹拌羽根の底部などに、「不良混合領域」と呼ばれる空白領域が出来てしまうことが知られています。
そのエアポケットのような空白領域では、ミキシング作用が機能しない。だから微細化できない粒子群が残って粒子分布はどうしても幅広 (broad) になってしまう。

対してOHRミキサーでは、ミキシング作用を受けない領域が皆無です。
流体の塊りはすべてまんべんなく微細化作用を受け、粒の揃った微細な流体粒子群へと一変します。
しかも一瞬の早技で、低圧です。
添付のメカニズム図でご理解ください。

縦断面の図解
横断面の図解

1. 高速らせん流の形成

反応器に流入した《 A流体・B流体 》は、ガイドベーンによって高速らせん流に変換され、猛烈な遠心力が生み出される。

左図参照

2. 比重ごとの層に分ける

比重差で、外側に重質流体が、内側に軽質流体が移動する。(中心は真空になる)
その過程で、 1)混在状態の流体が、重質・軽質層に振り分けられる際に衝突する
2)重質・軽質層の界面において、回転速度の違いから乱流渦群が発生する

3. 微細粒子群に砕く

カレントカッターの頭頂部で起こす境界層剥離現象によって、重質流体も軽質流体も微細に砕かれて、ミクロ粒子群となる。

4. 微細粒子群を衝突させる

遠心力・向心力によって、急激な圧力勾配下をジグザグに移動させ、衝突させる。 (全工程は0.04秒で完了する。 工程3・4は、カレントカッターの段数分だけ繰り返される)

境界層剥離 とは、流体が物体の表面に沿って流れずに、剥がれてしまう現象です。
例えば、これが飛行機の翼で起きると、揚力を得られずに失速して墜落してしまうため、流体力学では「境界層剥離」を防ぐ方法の研究ばかりが行われています。OHR技術の開発者である武田は、 価値がないとされてきた「境界層剥離」をわざと起こして、 流体の反応を高めるために利用しようと発想し、「OHR式流体反応技術」として見事に具現化しました。

OHRミキサーは、はるかに少ない電力で、大量の処理ができます

OHRミキサーの処理量は、大量です。
たとえば毎分あたり1,000リットルを処理するのに、15kWか22kWほどのポンプがあれば足ります。
ワンパス (OHRミキサーを1回だけ通過) だけで目的が達成できるケースなら、わずか1分で1,000Lもの乳化液や分散液が生産できます。

撹拌機タイプも、ビーズミルや湿式ジェットミル、高圧ホモジナイザーなども、いずれも処理量が非常に少ない。
たとえば某製品は、1時間で1,000リットルを処理するのが最大で、必要とする電力は75kWです。
OHRミキサーは、1時間で1,000リットルを処理するのに、対象が低粘度液であれば、0.75kWのポンプで足ります。
0.75kWは75kWに比べ、1/100の電力です。
もし仮に75kWのポンプをOHRミキサーに組み合わせたならば、5,000リットルをわずか1分間(60秒)で 処理してしまいます。撹拌機や高圧ホモジナイザーなどと比べて、はるかに少ない電力で、スピーディーに、大量の処理ができます。

処理量が格段に多くなると、リードタイムを極端に短くできます。
生産体制に大きな余裕が生まれて、受注したいけど受注できない、といった制約が無くなります。
つまりOHRミキサーは、工場生産効率を抜本的に改善できる可能性をもっています。

なおもちろんのことですが、案件の条件しだいで、OHRミキサーに置き換えができる・できないは左右されます。
案件の条件を電話でお聞かせください。

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